唐松模様
谷口 雅宣・生長の家
総裁のブログ
みなさまから、よくお問い合わせのある質問にお答えします。
“森の中のオフィス”は、購入した敷地の中で、自然度の低いところ(カラマツとアカマツの人工林で、手入れされていなかったところ)を選んで建設しました。落葉樹が多く、自然度が高い森を残すことで、自然生態系への影響を最小限にとどめています。また、木造オフィスの建設に伴うCO2排出量は、東京・原宿の旧本部会館を鉄筋コンクリートで建て直すよりも大幅に少なくなることをあらかじめ検証しました。
また、オフィス建築には、丸太4万本(1本の長さ4メートル、合計約2,500立方メートル)を使用し、約1,811トンのCO2を建物として固定。建築のために伐採された森林に植林された樹木が成長し、さらに大気中のCO2を固定していくため、CO2の削減に貢献しているといえます。
メディアセンター(広報・出版部門、オープンスタジオ)
FSCとは、Forest Stewardship Council(=森林管理協議会)の略称で、森林管理や、木材の加工・流通のプロセス、建築プロジェクトを認証する国際機関のことです。FSCの認証は、森林の環境保全に配慮し、地域社会の利益にかない、経済的にも継続可能なかたちで生産された木材に与えられますので、このFSCの認証を取得した木材や製品を購入し、利用することで、消費者は、世界の森林保全を間接的に支援できます。
山梨県は、FSC認証林の面積が国内最大で、県有林15万8千haのうち14万3千haがFSCの認証を取得しています。これは、国内の認証林42万ha(2014年11月)の3分の1に当たる広大な面積です。“森の中のオフィス”は、この山梨県のFSC認証材を約90%使用した地産地消型の建築となっており、山梨県の適切な森林管理と育成、林業の活性化に貢献しています。
施工前に四季を通じた1年間の環境調査を実施し、オフィス建設が敷地内の生態系や自然環境に与える影響を予測し評価する環境影響評価を行いました。その結果、敷地内には天然記念物のヤマネを始め、絶滅危惧Ⅱ類や準絶滅危惧の鳥類、昆虫類、植物などの生息を確認。そのため、生態系に悪影響が出ないように建設計画を立案し、竣工までの取り組みを行いました。
例えば、土の掘削や樹木の伐採を極力少なくし、伐採予定の樹木の中でヤマネが冬眠しないよう、あらかじめ樹木の穴を塞ぎました。また、土を掘削した場所も表土と1,000本以上の幼木を保全しておき、施工後に植え戻すなどして、施工による生態系への影響を最小限に留めました。今後、国際本部職員が、敷地内の森の手入れを行って、以前よりも生態系の豊かな森にしていきたいと考えています。
トイレの汚水や食堂などの排水は、微生物の働きにより浄化する「合併浄化槽」に最新の膜処理技術を導入して、浄化した水をトイレで再利用しています。浄化後の水の汚れの程度をあらわすBOD値は、国の基準では20ミリグラム/リットル以下ですが、オフィスではより厳しい5ミリグラム/リットルの値まで浄化しています。これは金魚が生息可能な水質で、重要な水源地の施設で使われている浄化槽と同じレベルです。浄化した水は土壌に浸透させ、土壌の力でよりきれいな水にして、自然界に戻しています。
ゼロ・エネルギー・ビル(ZEB)は、“森の中のオフィス”が日本で初めて実現しました。その後、都会型のZEBとして、大成建設が自らの技術センターにZEB実証棟を建築して実現しています。また、都会の中にある生長の家原宿光明の塔(東京・原宿)でもZEBが実現できるように設計・改築され、現在、検証中です。
このように都会でも低層の建物で用途を制限すれば、省エネ技術と太陽光発電の組み合わせでZEBを実現することができます。
一方、自然豊かな地方では、太陽光発電に加えて他の自然エネルギー(バイオマス、小水力、地熱、風力)による創エネを導入することもできるため、建物の用途を制限しなくてもZEBを実現することが可能になります。最近では、木質バイオマス発電の電力と熱を利用して「ゼロ・エネルギー・ファクトリー」をめざす工場が登場しました。今後、家庭、オフィス、工場などで、さらにゼロ・エネルギー化が進んでいくことが予測されています。
地域貢献活動として、近隣住民の依頼を受けて、立木の伐採や枝打ちを行ったり、地域の清掃活動に積極的に参加して草刈りや側溝清掃に取り組んでいます。また6人の若い男性職員が、北杜市の消防団活動に参加しています。
間伐材の運び出し
昨年2月、山梨県では観測史上最高の降雪(114センチメートル、甲府市)を記録し、交通網が遮断。国際本部職員は、居住地域の除雪のほか、JR中央本線の長坂駅、長坂総合支所、市営団地、公民館、市立保育園などの除雪をボランティアで実施。その後、車による移動が可能になると、オフィス敷地や近隣道路を除雪し、さらに北杜市の要請を受けて高齢者宅などの除雪ボランティアに参加して、地元住民から大変喜ばれました。その経験から、オフィスでは、ホイルローダー(ショベルカー)と除雪ブレード付きの2トントラックを導入し、次年(今年)の冬は、近隣道路の除雪を積極的に行いました。
オフィス近隣の住宅の除雪(昨年2月)
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